父親が親権を取った事例を紹介

あなたは離婚を考えています。そして、子どもと離れたくない。母親が親権を取るのが「当たり前」だと誰かが言います。あなたの心に焦りと疑問が浮かびます。父親が親権を獲得する道は本当にないのか。

答えはノーです。確かに日本では母親が親権を取得するケースが圧倒的に多い。しかし父親が親権を勝ち取った事例は存在します。現実として、2023年の司法統計では父親が親権を得たのは約8~10%。少数です。でも不可能ではありません。

近年、裁判所は父親の育児実績や子どもの意思を以前より重視する流れに変わりつつあります。あなたが日常的に子どもを送り迎えし、夕食を作り、宿題を見ている。その積み重ねは、法廷で意味を持ちます。

この記事では父親が実際に親権を取った4つの事例を見せます。それぞれのケースで何が決め手となったのか。そして、あなたが親権を獲得するために今日から何をすべきか。具体的な戦略と裁判所の判断基準を、あなたの状況に置き換えながら解説します。

あなたの父としての努力を、裁判所に理解させる準備を始めましょう。

父親が親権を獲得できる確率と現状

数字を先に見せます。2023年の司法統計によると、父親が親権を獲得した割合は約8~10%。母親は90%以上です。あなたはこの数字を見て、諦めそうになるかもしれません。

しかしこの統計には重要な背景があります。多くの離婚では、父親が最初から親権を争わないケースが含まれています。

仕事の都合や「母親のほうが適している」という思い込みから、父親側が親権を求めない。つまり、本気で親権を求めて準備した父親の勝率は、この全体統計より高くなります。

実際、裁判所は「父親だから不利」という判断はしません。家庭裁判所の調査官はあなたの家を訪れ、子どもの部屋を見て、冷蔵庫の中身まで確認します。彼らが評価するのは性別ではなく、「誰が子どもにとって最善の環境を提供できるか」です。

近年の変化も見逃せません。共働き世帯の増加と育児参加する父親の増加により、裁判所の視点も変わりつつあります。2020年以降、父親の育児実績を詳細に評価する判例が増えています。

あなたが保育園の送迎記録やLINEでの子どもとのやり取り、学校行事への参加写真を保存しているなら、それらは全て証拠になります。

統計の8~10%という数字は冷たい現実です。しかしあなたが準備し、実績を積み、適切な法的アプローチを取れば、その「10%」に入る可能性は確実に存在します。諦める前に、次の判断基準を理解してください。

離婚時の親権者決定における判断基準

裁判所があなたと配偶者のどちらに親権を渡すか。その判断には明確な基準があります。感情論ではなく、子どもの利益を中心に置いた評価です。

主な判断基準は5つです。

  • 監護の継続性:現在誰が子どもを育てているか
  • 子どもの福祉:どちらの親が子どもの健全な成長を支えられるか
  • 子どもの意思:特に15歳以上の場合
  • 養育能力:経済力、育児スキル、健康状態
  • 生活環境:住居、地域、学校の継続性

あなたはこれらの基準を「チェックリスト」として使えます。自分の状況を客観的に評価してください。どの項目で強みがあり、どこで弱いか。

裁判所は「どちらの親がより多くの時間を子どもと過ごしてきたか」を最重視します。これは性別の問題ではありません。母親が仕事で夜遅くまで不在で、あなたが毎日子どもの食事と入浴を担当していたなら、あなたが有利です。

また、裁判所は「安定性」を求めます。急激な環境変化は子どもにストレスを与えます。あなたが今住んでいる家で子どもが通い慣れた学校に通い続けられるなら、それは大きなプラスポイントです。

次に、それぞれの基準を詳しく見ていきます。

監護の継続性と現状維持の原則

あなたが今この瞬間、子どもと一緒に暮らしているか。これが最も重要な要素です。

裁判所は「現状維持」を原則とします。子どもが現在安定した生活を送っているなら、その環境を変えるべき特別な理由がない限り、現在の監護者が親権を得ます。これを「監護の継続性」と呼びます。

あなたが別居中で、すでに配偶者が子どもと暮らしている場合、これは不利な状況です。しかし逆もあります。あなたが子どもと暮らし、日常的に世話をしているなら、その継続性があなたを守ります。

具体的に裁判所が見るポイントは以下です。

  • 過去1年間、誰が子どもの朝食を作ったか
  • 誰が保育園・学校への送迎を担当したか
  • 子どもが病気のとき誰が看病したか
  • 誰が宿題を見て、寝かしつけたか

あなたがこれらの記録を持っているなら、今すぐ整理してください。写真、メール、LINEのやり取り、保育園の連絡帳、病院の領収書。全てが証拠になります。

調査官があなたの家を訪問する際、子どもの部屋を見ます。その部屋が清潔で、子どもの持ち物が整理され、安心して過ごせる空間であることを示してください。「父親だから部屋が汚い」という偏見を打ち破るのはあなたの現実です。

もしあなたがまだ別居していないなら、今が重要です。別居後に誰が子どもと暮らすかで、親権の行方が大きく変わります。配偶者が子どもを連れて突然家を出る前に、弁護士と相談してください。

子どもの福祉と意思の尊重

裁判所が最終的に答えるべき問いは一つです「どちらの親といる方が、この子は幸せに成長できるか」。

子どもの福祉とは、単に衣食住が足りているかではありません。情緒的な安定、教育機会、健全な人間関係、安全な環境。これら全てを含みます。

あなたが子どもにとって「良い父親」であることを示す必要があります。それは高収入や立派な家ではなく、子どもとの関係の質です。

  • 子どもはあなたと一緒にいるとき、リラックスしていますか
  • あなたは子どもの好きな食べ物、友達の名前、最近の悩みを知っていますか
  • 子どもがあなたに相談事を話しますか

これらは調査官が面接で確認します。作り話は通用しません。日頃から子どもと深く関わっている父親だけが、自然に答えられる質問です。

子どもの意思も大きな要素です。法律上、15歳以上の子どもの意思は必ず聴取されます。10歳以上でもその意見は尊重されます。

もしあなたの子どもが「パパと暮らしたい」と明確に希望するなら、それは決定的な要素になります。ただし、裁判所は子どもがプレッシャーを受けていないか、誘導されていないかも慎重に判断します。

あなたがすべきことは、子どもに「どちらを選べ」と迫ることではありません。日常の中で子どもが安心し、信頼できる存在であり続けること。その積み重ねが、子ども自身の本心を育てます。

調査官は子どもと二人きりで面談します。そこで子どもが「パパは怒ると怖い」「ママといる方が楽しい」と言えば、あなたの主張は崩れます。逆に「パパは話を聞いてくれる」「パパと一緒だと安心する」と子どもが語れば、あなたの最大の味方になります。

子どもの福祉を証明するもう一つの方法は、母親との関係を尊重する姿勢を見せることです。裁判所は「もう一方の親との関係を断絶させようとする親」を警戒します。

あなたが親権を得た後も、母親との面会交流を認める意思があることを示してください。それは子どもの利益を最優先する姿勢として評価されます。

父親が親権を獲得した実際の事例

理論だけでは実感が湧きません。実際に父親が親権を取ったケースを4つ見せます。それぞれのケースで、何が決め手となったのか。あなた自身の状況と照らし合わせてください。

事例1:母親の育児放棄により父親が親権を取得したケース

あなたが仕事から帰ると、子どもが一人で留守番をしています。夕食も用意されていません。配偶者は友人と外出中です。これが週に何度も続く、このケースの父親が直面した現実です。

この父親は共働きでしたが、母親は育児よりも自分の時間を優先しました。子どもを頻繁に祖父母や託児所に預け、夜遊びに出かけました。父親が帰宅すると、子どもは空腹で待っていました。

父親はこの状況を記録しました。帰宅時間と子どもの様子を日記に書き、祖父母に預けた回数を確認し、配偶者のSNS投稿(飲み会や旅行の写真)をスクリーンショットで保存しました。

さらに、母親の不貞行為も発覚しました。深夜に外出し、朝方帰宅する日が増えました。父親は探偵を雇い、証拠を集めました。

別居後、父親は子どもと暮らし始めました。毎日の食事を作り、学校行事に参加し、安定した生活環境を提供しました。裁判所の調査官が訪問したとき、子どもは「パパと一緒が良い」と明確に述べました。

裁判所は母親の育児放棄と不貞行為を認定し、父親に親権を認めました。決め手は母親の不適切な監護の証拠と父親の実際の育児実績でした。

あなたが同じ状況なら、今日から記録を始めてください。感情的な言葉ではなく、日時・事実・子どもの様子を淡々と記録します。

事例2:子ども自身が父親との生活を強く望んだケース

このケースでは、14歳の娘が裁判所に「父と暮らしたい」と訴えました。

両親の別居後、娘は母親と暮らしていました。しかし母親は新しい交際相手との生活を優先し、娘に十分な関心を向けませんでした。娘は父親に電話で「ママは彼氏とばかりいて、私の話を聞いてくれない」と泣きながら訴えました。

父親は娘の気持ちを尊重し、面会交流の際に丁寧に話を聞きました。娘は父親との時間を心待ちにし、父との生活を望むようになりました。

調停で、娘は調査官に自分の意思を明確に伝えました。「お母さんのことは嫌いじゃない。でもお父さんと暮らしたい。お父さんは私の話をちゃんと聞いてくれる」。

裁判所は娘の年齢(14歳)と意思の明確さ、そして父親が安定した養育環境を提供できることを確認し、父親に親権を認めました。

子どもの意思は強力です。しかし、あなたが子どもに「パパを選べ」と圧力をかけるのは逆効果です。子ども自身が心から望む選択でなければ、調査官は見抜きます。

あなたがすべきことは、子どもにとって安全で信頼できる存在であり続けることです。その積み重ねが、子ども自身の自然な選択を生みます。

事例3:母親の無断連れ去りを防止し父親が親権を得たケース

あなたが仕事から帰ると、家に誰もいません。子どもの荷物も消えています。配偶者が子どもを連れて実家に帰ったのです。連絡も相談もなく。

このケースの父親は、まさにこの状況に直面しました。母親が無断で子どもを連れ去り、父親に居場所を教えませんでした。

父親はすぐに弁護士に相談し、子の監護者指定の審判と子の引渡しの審判を家庭裁判所に申し立てました。同時に、自分が主たる監護者であった証拠を提出しました。

  • 保育園の送迎記録(父親が毎日担当していた)
  • 子どもとのLINEや写真
  • 保育園の先生の証言(「いつもお父さんが迎えに来ていました」)
  • 別居前の生活状況を示す日記

裁判所は母親の無断連れ去りを「子どもの生活環境を一方的に変える不適切な行為」と判断しました。さらに、父親が継続的に子どもを監護していた事実を認定し、父親への子の引渡しと親権を認めました。

このケースの教訓は明確です。別居時に誰が子どもと暮らすかが、親権を決定づける。もしあなたが配偶者による連れ去りを懸念するなら、別居前に弁護士と対策を立ててください。

一方、あなた自身が子どもを連れて別居する場合も、一方的な行動は不利になります。必ず事前に弁護士の助言を受け、適法な手続きを踏んでください。

事例4:父親が主たる養育者として実績を積んだケース

このケースの父親は、結婚当初から育児に深く関わっていました。

彼は在宅勤務のフリーランスでした。妻はフルタイムの会社員で、帰宅は夜8時過ぎ。そのため、子どもの日常的な世話は父親が担いました。

  • 毎朝の朝食準備と保育園への送り
  • 保育園からの迎えと夕食作り
  • 入浴、絵本の読み聞かせ、寝かしつけ
  • 病気の際の看病と病院への付き添い

父親はこれらを当たり前のこととして続けていました。そして離婚協議が始まったとき、彼はこの実績を証拠として提出しました。

  • 保育園の連絡帳(父親の筆跡で毎日記入されている)
  • 保育園の送迎記録
  • 小児科のカルテ(付き添いは父親)
  • 子どもの成長記録を綴った写真とメモ

裁判所の調査官が訪問したとき、子どもは父親に自然に甘えました。「パパのカレーが好き」「パパが絵本読んでくれる」と笑顔で話しました。

母親側は「父親は経済力が不安定」と主張しましたが、父親は安定した収入証明と、実家の支援体制も示しました。

裁判所は「父親が主たる養育者であった」ことを認め、親権を父親に認めました。

このケースの核心は、日々の積み重ねです。父親であることを理由に不利になるのではなく、実際に誰が育児をしているかが評価されました。

あなたがこれから親権を目指すなら、今日から育児の記録を残してください。写真、メモ、領収書、連絡帳。全てが将来の証拠になります。

父親が親権を獲得するための重要なポイント

事例を見て、あなたは共通点に気づいたはずです。父親が親権を得るためには、具体的な戦略と日々の行動が必要です。感情論や「父親だから」という理由では勝てません。

以下の3つのポイントを押さえてください。

1. 継続的な監護・養育実績を作る

あなたが親権を得たいなら、今日から子どもの主たる養育者になってください。言葉ではなく、行動で示します。

具体的にすべきこと

  • 毎日の育児タスクを担当する:朝食、送迎、宿題のサポート、入浴、寝かしつけ。これらを可能な限りあなたが担当します。
  • 記録を残す:日記、写真、ビデオ、LINEのやり取り。日付入りで保存します。「○月○日、子どもと公園で遊んだ」「○月○日、発熱で病院に連れて行った」と具体的に記録します。
  • 学校・保育園との関係を築く:連絡帳に記入し、保護者会に参加し、先生と顔見知りになります。先生があなたを「積極的に育児に関わる父親」と認識することが重要です。

あなたが仕事で忙しくても、工夫次第で実績は作れます。朝の送りだけでも毎日担当する。週末は必ず子どもと過ごす時間を確保する。配偶者に任せきりにしないことです。

別居を検討している場合、別居後に子どもと一緒に暮らすことが決定的に重要です。一度配偶者が子どもと暮らし始めると、「現状維持の原則」により逆転は困難になります。

弁護士と相談し、別居時に子どもをどちらが監護するか、合意または裁判所の判断を得てから行動してください。無断で連れ去る行為は、あなた自身の評価を下げます。

2. 子どもと過ごす時間の確保と養育環境の整備

裁判所は「あなたが親権を得た後、子どもにどんな生活を提供できるか」を評価します。現実的な計画を示してください。

時間の確保

あなたの仕事スケジュールを見直します。フルタイムで働いていても、子どもの世話ができる体制を示す必要があります。

  • 勤務時間の調整は可能か(フレックス、時短勤務)
  • 祖父母や親族のサポートは得られるか
  • 学童保育や放課後デイサービスの利用計画

「仕事が忙しいから無理」と諦めるのではなく、「仕事と育児を両立する具体的なプラン」を作ります。調査官に「私の両親が近所に住んでおり、毎日サポートを受けられます」「会社に育児休業の相談をし、理解を得ました」と説明できるようにします。

養育環境の整備

あなたの住居を確認してください。

  • 子どもが安全に暮らせる部屋があるか
  • 学校や保育園に通いやすい立地か
  • 清潔で整理整頓されているか

調査官が訪問するとき、散らかった部屋や不衛生な環境は致命的です。「父親だから家が汚い」という偏見を打ち破るのは、あなたの現実です。

子ども部屋を用意し、学習机や本棚を整え、子どもが「ここが自分の居場所」と感じられる空間を作ってください。

経済的安定

親権と養育費は別の問題ですが、裁判所は経済的安定性も評価します。あなたの収入証明、預貯金、今後の生活設計を示します。

「母親より収入が多いから有利」というわけではありません。重要なのは「子どもに安定した生活を提供できるか」です。

母子家庭向けの手当や支援制度があるため、母親の収入が少なくても不利にはなりません。父親も同様に、児童扶養手当などの制度を理解し、計画を立ててください。

3. 母親側の問題点を証拠で示す

あなたがどれだけ優れた父親でも、母親がそれ以上に適切な養育者であれば、母親が親権を得ます。したがって、母親側に子どもの養育に支障をきたす問題がある場合、それを証拠で示す必要があります。

ただし、この戦略は慎重に進めてください。誹謗中傷や感情的な攻撃は逆効果です。裁判所が求めるのは客観的事実です。

証拠として有効なもの

  • 育児放棄の記録:子どもを放置した日時、頻度、状況を記録します。写真、動画、第三者の証言(祖父母、保育園の先生など)。
  • 虐待やネグレクトの証拠:身体的虐待の痕跡(写真、診断書)、精神的虐待の記録(子どもへの暴言の録音、子どもの様子の変化)。
  • 不貞行為の証拠:不貞そのものは親権に直結しませんが、「不貞に時間を費やし育児を放棄した」場合は関連します。探偵の調査報告書、写真、メールやLINEのやり取り。
  • 精神的・身体的健康の問題:薬物依存、アルコール依存、精神疾患が子どもの養育に支障をきたしている場合。診断書、入院記録、第三者の証言。
  • 子どもへの悪影響:母親の交際相手が子どもに暴力を振るう、母親が頻繁に家を空け子どもが不安定になっているなど。

これらの証拠を集める際、違法な手段(無断での盗聴、不正アクセス)は使わないでください。違法に得た証拠は裁判で認められず、あなた自身の信用を失います。

弁護士や探偵と相談し、合法的な方法で証拠を集めてください。

注意点

母親を攻撃することが目的ではありません。あくまで「子どもの福祉」の観点から、母親に養育上の問題があることを示すのです。

また、裁判所は「もう一方の親を尊重する姿勢」を評価します。母親を一方的に悪者にするのではなく、「母親も子どもを愛していると思います。しかし現状では、私が養育する方が子どもにとって良い環境を提供できます」という態度を保ってください。

父親が親権を取れなかった場合の対応

あなたが全力を尽くしても、親権を得られないことがあります。裁判所が母親を親権者と判断した場合、あなたはどうすべきか。

諦めるのではありません。親権がなくても、あなたは父親であり続けます。子どもとの関係を維持し、子どもの人生に関わり続ける方法があります。

面会交流の取り決めと親権者変更の可能性

親権を失っても、面会交流権はあなたにあります。これは法律で認められた権利です。

面会交流とは

非親権者(あなた)が子どもと定期的に会い、交流すること。頻度、場所、方法を取り決めます。

典型的な取り決め例

  • 月に2回、週末に子どもと過ごす
  • 夏休み・冬休みに数日間一緒に過ごす
  • 誕生日や学校行事への参加

あなたは調停または裁判で、できるだけ具体的な面会交流の取り決めを求めてください。「月1回程度」といった曖昧な表現ではなく、「毎月第1・第3土曜日、午前10時から午後5時まで」と明確に定めます。

面会交流を実現するために

あなたが面会交流を実現し継続するには、以下が重要です。

  • 母親との協力関係を築く:感情的な対立を続けると、母親が面会を妨害する口実になります。子どものために、冷静で協力的な態度を保ってください。
  • 約束を守る:面会の日時を守り、子どもを時間通りに返します。あなたが信頼できる父親であることを示します。
  • 子ども中心の交流:面会中に母親の悪口を言わない、子どもにプレッシャーをかけないこと。子どもが安心して楽しめる時間を提供します。

母親が面会交流を拒否した場合、あなたは面会交流調停を申し立てることができます。それでも履行されない場合、間接強制(母親に金銭的ペナルティを課す)や損害賠償請求も可能です。

親権者変更の可能性

親権は一度決まったら永久に変わらないわけではありません。状況が変われば、親権者変更の審判を申し立てることができます。

親権者変更が認められるケース

  • 母親が育児放棄や虐待をしている
  • 母親の生活環境が悪化し、子どもに悪影響がある
  • 子ども自身が成長し、父親との生活を望むようになった
  • 母親が病気や経済的理由で養育が困難になった

変更を申し立てる際も、証拠が必要です。面会交流の際に子どもの様子を注意深く観察し、問題があれば記録してください。子どもが「ママの家は嫌だ」「パパと暮らしたい」と言った場合、その発言と状況を記録します。

ただし、子どもを利用して情報を得ようとするのは避けてください。子どもが親の間で板挟みになり、精神的に傷つきます。

あなたができることは、面会交流を通じて子どもとの信頼関係を維持し続けることです。そして子どもが困っているときに、いつでも助けられる存在であることを示すことです。

親権を失っても、あなたの父親としての役割は終わりません。子どもはあなたを必要としています。その事実を忘れないでください。

結論

あなたは今、父親として子どもと離れたくないという強い思いを抱いています。統計は厳しい現実を示しますが、不可能ではありません。

この記事で見た4つの事例は、実際に起きたことです。父親たちは諦めず、日々の育児実績を積み、証拠を集め、子どもの利益を最優先に行動しました。その結果、裁判所は彼らを親権者として認めました。

あなたがすべきことは明確です。

  1. 今日から育児の主体となる:言葉ではなく行動で示します。送迎、食事、宿題、寝かしつけ。日々の積み重ねが証拠になります。
  2. 記録を残す:写真、日記、連絡帳、領収書。全てを日付入りで保存します。
  3. 子どもとの信頼関係を深める:子どもがあなたと一緒にいたいと心から思える関係を築きます。
  4. 法的準備を進める:弁護士に相談し、別居や親権争いの戦略を立てます。
  5. 冷静さを保つ:感情的な対立は子どもを傷つけ、あなたの評価を下げます。

裁判所は「父親だから」という理由で不利な判断をしません。誰が子どもにとって最善の養育者かを、事実に基づいて判断します。あなたがその事実を示せるかどうかです。

もし親権を得られなくても、あなたの父親としての責任は続きます。面会交流を通じて子どもとの絆を維持し、子どもが必要とするときに支えられる存在であり続けてください。

あなたの努力は無駄ではありません。子どもはあなたの愛情を感じています。その事実を信じて、前に進んでください。またVAMEGA法律事務所がサポートいたします。

投稿者 VamegaLawTeam